HRM(人的資源管理)研究者の Oxford 滞在記(2020-2022)

1年目は配偶者同行で休業して渡英。2年目はサバティカルで渡英。日常的な出来事(とたぶん研究)の記録です。英語は練習のために書いているので,ミスが多々あります。ご了承ください。

DAY590 [渡英536日] 2021年11月12日(金):ゼミ説明会(3),読書会

 今日はこちらの時間の9:00からゼミの説明会。しかし,息子の学校の送りの関係で結構ハラハラの展開。息子の学年は8:40から入校できるが,準備に手間取り,自宅を出たのが8:40前後。ダッシュで帰宅するとすでに開始10分前。息を切らせながらPCの設定をしていると何をしているのだろうかと思ってしまう。とは言え無事に定刻通りに開催。でももう1つのPCをiPhoneの回線にするのを忘れてしまった…。
 
 12:00からはオンラインで読書会。HRのブラックボックスに関する議論でそれを帰属理論と絡めている本。私の担当章は,Nishii, et al(2008)*の論文を批判的に検討し,どんな研究可能性があるのかを論じている。参加者はみなアクティブな研究者なので,研究の議論ができるのは面白かった。特に集団レベルの成果を測定する際に集団の分散やアグリゲート(=総和の平均)した変数ではなく,何かシナジーを踏まえた集団レベルの変数を作成できる方法はないだろうか,という議論になった。ハーフィンダル指数なのか,ブラウ指数**なのか,もしかしたら経済学の実証研究にヒントがあるかもしれない。機会があればHenley Business Schoolの先生に聞いてみようかしら(私の英語力がすこぶる不安だが)。

*Nishii, L. H., Lepak, D. P., & Schneider, B. (2008). Employee attributions of the “why” of HR practices: Their effects on employee attitudes and behaviors, and customer satisfaction. Personnel psychology, 61(3), 503-545.

 

** Blauの多様性指標は以下の式で示される。例えば,男女比が5:5の場合,

 1-(0.5*0.5)-(0.5*0.5)=0.5 で最大値になる。また,男女比が7:3でも,3:7でも多様性と言う観点では同じになるため,スコアは同じになる。1-(0.7*0.7)-(0.3*0.3)=0.42, 1-(0.3*0.3)-(0.7*0.7)=0.42。多様性指標という場合,(1)出身国,(2)他の業界で働いた経験,(3)キャリアパス,(4)性別,(5)学歴,(6)年齢など様々なのBlau指標がある。ミュンヘン工科大学とBCG(ボストン コンサルティング グループ)が2016年に行った共同調査(ドイツ,スイス,オーストリアの171社)では,上記の6項目を平均して多様性指標としている。

参考:第2章 第3節 労働市場の多様化が経済に与える影響 - 内閣府

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Blau index (ブラウの多様性指標)

 読書会が終わりしばらくすると息子が帰ってきた。ようやく50ポイントがたまった賞状をくれたが,遅れたことのexcuseはなかったみたい。それよりも息子のクラスで4人欠席がいるのが気になる。コロナの検査で休む場合もあるし,風邪の場合もある。あるいは本当にコロナの場合もある。30人前後で4人というと10%を超えているのできになるところ。


 また,学校からバザーを12月に行うので一家族あたり10点の品物を持ってくるようにとの指示。しかも,中古ではなく,newもしくはnewlyということで荷物の整理がてらアイテム探し。これらのアイテムに値段をつけ,子供たちは一人2£を持参して買い物をする「お店屋さん集会」をするようだ。