HRM(人的資源管理)研究者の Oxford 滞在記(2020-2022)

1年目は配偶者同行で休業して渡英。2年目はサバティカルで渡英。日常的な出来事(とたぶん研究)の記録です。英語は練習のために書いているので,ミスが多々あります。ご了承ください。

DAY630 [渡英576日] 2021年12月22日(水):帰国後の隔離に関する混乱

 昨日のワクチン接種(3回目)の副反応は,腕の痛みはあるものの,軽いけだるさ程度で済んでいる。

 

 帰国後の隔離に関するアクセスが多いので,2021年12月22日時点で入ってきている情報を整理しておく。

 

 帰国者の情報では,いくつか現場の混乱と保健所の人たちの業務がパンクしている様子が伝わっている。
 例えば,
 ・強制隔離者は陰性の場合,強制隔離施設からいったん羽田や成田など到着した空港に戻る必要があるが,この時のタクシーは自分で手配しないといけない。仮に羽田や成田近くのホテルに収容されていても,歩いて空港に戻ってはいけないという。濃厚接触者を乗せたくないタクシー会社も多く,タクシー会社を探すのに難航するとのこと。
 ・自主隔離先の地方自治体と厚労省の連携が取れておらず,1日に何度も様子を見に来ることがある
 ・小学校高学年の子供と親が部屋がないという理由により,一緒の部屋になれずに別々の部屋に6日間隔離されそうになったこと(結局,このケースは部屋が見つかり,同室になれた)
 ・現状,陽性者が見つかると,その飛行機の搭乗者全員が隔離対象者になるため,航空会社のスタッフが足りなくなり,飛行機の運行に支障が出始めていること
 ・外国の航空会社の場合,日本の入国者数の絞り込みにより欠航便が生じているものの,その連絡は届かないため,空港で初めて知るケースがある

 

 オミクロン株の感染力が強いので,入国前のPCR検査がザルと言うより,
可能性1) 72時間前に検査を受けた後,市内で食事等をした結果,感染した可能性

可能性2) 機内で感染した可能性

可能性3) 到着後,空港内を6時間以上,たらいまわしにあって集団で移動している中で感染した可能性

可能性4)隔離ホテルで感染した可能性
 そう考えると,PCRの72時間前の検査が48時間前,24時間前,搭乗前などなるべく直前に行われるようになる可能性もあり得る。ここで言うのは複数回という意味ではなく,搭乗までの時間を指す。

 ある高名な社会学者が,社会学(や制度論※私が追記)からすると日本の検疫体制が,なぜ膨大なコストをかけて他国と違うポリシーを採用するのか,というリサーチクエスチョンがあり,自分もその制度下で影響を受ける存在としてケースの只中にある。と述べていた。比較制度論として確かに面白い視点かもしれない。

 

 日本の論調は,帰国者は「隔離やそれなりの扱いを受けることを承知のうえで来い」「全員隔離しろ」というものが多いように見受けられる。確かに一時帰省だけならそうかもしれない。ただ,昨年もロックダウンで家族に会えない方々もいるはずで,家族と会いたいという気持ちは分からないわけでもない(日本も自粛している人もいるだろう)し,この状況を判断して私の周りでも一時帰省を諦めた人もいる。

 日本の報道を見ると,感染者数だけを煽っているように見える。数だけでなく,オミクロン株の重症化率とか,ワクチン接種者なのかどうか,いつ(どの段階で)感染が確認されたのかを特定化しないと,隔離範囲を幅広にとって経済がスタックしてしまう。

 

 イギリスでは,BBCやデイリーニュースによるとオミクロンによる重症化率は低いと公式に発表しており,クリスマス後の規制の意思決定に影響を与える可能性が指摘されている。

www.bbc.co.uk

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Daily Mail headline

https://www.bbc.co.uk/news/blogs-the-papers-59764149