DAY644 [渡英590日] 2022年1月5日(水):息子の学校開始,『相棒』と無期転換
今日から学校が始まり,久しぶりにcoffeeを買いに行く。coffeeを買いに行くのが躊躇われるほどの寒さ。買ったcoffeeもすぐに冷めてしまう。
帰宅後,溜まったメールを処理。息子がいない間に作業に集中しても,あっという間に時間が過ぎてしまう。自分の生産性が落ちているのか,それとも量が多いのか。
日本のHRM研究者で少し話題になっていることがある。私は観ていないが正月に放送された『相棒』のシーンで,無期転換を求めた従業員の行動がエキセントリックで,脚本家の本意ではないというものだ。以下,1/3(月)のヤフーニュース『相棒』元日SPのデモ隊描写に物議…脚本家も「存在しないシーン」とブログで異議,より抜粋。
問題となっているのは、同回での主人公の杉下右京(水谷豊)と冠城亘(反町隆史)が捜査の一環で、駅の売店を運営する企業『デイリーハピネス』の本社に向かうシークエンス。2人が同社を出たところ、「非正規差別NG」と書かれたビラやプラカードを持つ、ピンク色の鉢巻を巻いたデモ隊が待ち構えている。
すると1人の女性が右京たちに“デイリーハピネス社の劣悪な労働環境”について唐突に話し始め、興奮気味に「同社で働く人の多くが非正規雇用で賃金は安く、15年以上働いても退職金がゼロ」と説明。さらに、デモ隊は裁判で同社を訴えることを明かした。突然の出来事に戸惑う右京たちだったが、女性らは2人を囲むと『格差をなくせ!』と拡声器を使ってシュプレヒコール。そして、右京たちは逃げるようにその場を去った。
しかし、太田氏は一連のシーンに異論を唱えた。ブログで《プラカードを掲げた人々に取り囲まれるというシーンは脚本では存在しませんでした。デイリーハピネス本社の男性平社員二名が、駅売店の店員さんたちが裁判に訴えた経緯を、思いを込めて語るシーンでした》と明かし、こう訂正した。
《非正規社員というだけで、正社員と同じ仕事をしても基本給は低いまま、退職金もゼロ。しかも店員の大半が非正規社員という状況の中、子会社の平社員達も、裁判に踏み切った店舗のおばさんたちに肩入れし、大いに応援しているという場面でした》
脚本家:太田愛さんのブログ
非正社員の問題は,働き方改革で一層複雑になった。実際には多分,政府が期待した状況にはならず,「無期パート」という雇用だけ無期契約にする形態が登場することになった。
確かに統計を見ると非正規は増えた。また,待遇差を禁止するために同一労働同一賃金が推進され,均等・均衡待遇が求められるようになった。ただ,諸外国の同一労働同一賃金は,性別・人種・年齢による差別であるのに対して日本は雇用形態間(正規と非正規)になっており,「諸外国でもやっているでしょ」という理屈は通らない。
企業の自助努力の部分にまで政府が手を入れているような感覚に陥る時がある。この国はRed team入りしたいのだろうか。