HRM(人的資源管理)研究者の Oxford 滞在記(2020-2022)

1年目は配偶者同行で休業して渡英。2年目はサバティカルで渡英。日常的な出来事(とたぶん研究)の記録です。英語は練習のために書いているので,ミスが多々あります。ご了承ください。

DAY640 [渡英586日] 2022年1月1日(土):日本の祖父母の家とオンライン飲み会,1年の計

 元日ということで義理の祖父母の家とオンライン飲み会。日本は夕方でも英国では朝。朝からおせち料理をつまみつつ,お酒を飲んでのんびり過ごす日。

 

 1年の計は元旦にあり,ということで何となく今年1年のことを考えてみる。

 まず,生活面では帰国オペレーションと日本の生活固めが何よりも最優先。あとは英国で健康診断も出来ていないので,身体全体のメンテをすること。
 授業面での立ち上げも当面の課題。
 1)オンライン講義に慣れていないので,

   そこへの対応(特にオンライン試験
 2)ゼミの立ち上げ,修士の指導
 3)学部の教科書を変えるのでスライドの準備

 もちろん研究面は今まで掲げたものとあまり変わらない。ただ,研究成果をあげられるか否かは多分に生活環境に依存する。
 1日が24時間で動かせない以上,
 ・何かを別のことをしないで研究時間に充てるか(例えば睡眠を削る)
 ・目標を低くする
 ・別の仕事を極力セーブして研究時間に充てる くらいだろうか

 

 ただ,サバティカルでシニアの先生を中心に色々とご迷惑をおかけしているので,研究面での成果を出さないと。研究の時間を確保できているのは,重い仕事をして下さっているシニアの先生方のおかけ。本当に有難い(でもいつかは自分のその立場になるのだろう)。

 

<以下はあくまでも個人の感想です。所属組織の意見ではありません。>
 海外の先生から,「日本は業績による契約更新がないのになぜ研究するのか」と聞かれたことがある。思えば,私は「考え,実証することが好きで,それによって少しでも人(働く人・人事・政策)の役に立ちたい」と考えているからだと思う。功名心というより自分の好奇心が先に立つ。その意味で日本は長期的な研究ができる素地はあるのだが,いかんせん,研究費が削られたり,電子ジャーナルが高騰して読みたい雑誌が読めないなどの問題で研究環境が悪化している(勤務先の話ではなく,大学教育一般の話として)。

 また,欧米の「(准)教授」に比べて世の中で思われているほど報酬も高くない(とはいえ統計的には日本社会ではもらっている方)。UAEや中国のように億単位の報酬を提示されたら,能力(+語学力)のある教員(日本人に限らない)は,日本の大学に来ないだろう。併せて日本の人口に比べて大学の数が多いのも教員に負担をかけている。簡単に言えば,大学がたくさんあるために各大学に教員が広く薄く分散しているので,教員の負荷が高い。なぜならば,少ない人数で大学の年間行事をまわさないといけないし,経営を成立させるために学生を集める必要があり,合格ラインを下げたり,様々な入試を設定して学生を確保しないといけないから。様々な入試形態があるということは,入試問題を作成し,入試の試験監督をしているということ(もちろん採点も)。学生確保はとても重要なことだけど,研究時間が減少しているのは,本人の意欲だけでなく,構造的な問題でもある。自分の研究費が削られてもよいから受験会場入り口の警備とか外部人材にお任せしたりできないのだろうか。

 

 閑話休題。家族でキャプテンアメリカとアベンジャーズ(こちらは途中)を観る。改めて見ると,このシーンのおじさんはマイティ・ソーで出てきたとかよく分かる。キャプテンアメリカに肉体改造手術をした時に手伝っていたのは,スターク父だったのね。