HRM(人的資源管理)研究者の Oxford 滞在記(2020-2022)

1年目は配偶者同行で休業して渡英。2年目はサバティカルで渡英。日常的な出来事(とたぶん研究)の記録です。英語は練習のために書いているので,ミスが多々あります。ご了承ください。

DAY474 [渡英420日] 2021年7月18日(日):日本労務学会2,炎天下,息子のタンコブ

 ちょうど今書いている論文と重複が多い発表が日本時間9:50(英国時間1:50am)からあり,頑張って起床。この研究は埋め込みの研究(off the job embeddedness and on the job embeddedness)であるが,報告集を見る限り変数の作り方に違和感があり,その点を質問したいと思っていた。

<以下はマニアックな学術的な話>

 具体的には,Mitchell, et al(2001)の埋め込み尺度は,communityのlinkに既婚ダミーを標準化して用いているが,それが独立変数に入っている一方で,従属変数にcommunityのlinkを置き推計している。そうなると,構成概念をxとyに分けて推計していることになる。私は,転勤政策が行われている(今は変化しつつある)日本にとって埋め込みは大きな意味を持つと考えていたが,この発表では,どちらかというと福利厚生施策へのエビデンスとなることを目的としているようだ。それも確かに一理あると納得。

 他の質問も欧米の尺度が日本に当てはまるの?というのは根源的な問いであると思う。他方で,比較の観点から言うと,海外の尺度を用いないと比較ができないというのも確か。MBAの指導でも同じ問題に直面するが,海外の尺度で日本の実情に合わないものは削除して用いる傾向があるが,では日本オリジナルの尺度を追加してプラスしないのか,という点は見過ごされている。もし日本オリジナルの尺度を作るとなると,項目反応理論とか,それはそれで面倒なのだが,こうしたことも考える必要があるかもしれない。

 今日は昨日に続いて炎天下で扇風機を出動。英国は基本涼しいのでエアコンがない家が多い。扇風機も年に数回しか出動しないが,今日がその日になった。というわけで外で遊ぶのは危険なレベルのため,自宅内で息子とボールで遊んでいると,ボールを追いかけるのに夢中になった息子がドアのへりに頭をぶつけ号泣。大きなタンコブが出来てしまう。こうして息子の遊び心は萎み,おとなしく過ごす1日となった。